センス・オブ・ワンダー

orpheus2004-07-19

★★★★★
良い映画を観ると、良い本を読みたくなる。

地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにであったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きていることへの新たなよろこびへ通じる小道を見つけ出すことができると信じます。
地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力をたもちつづけることができるでしょう。
鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾のなかには、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。自然がくりかえすリフレイン――夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ――のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです。

本書はレーチェル・カーソンの遺作。もともとは子供と向き合う若い母親に向けて書かれたものだが、自然や環境に興味がある人にも「沈黙の春」と同様、必読の書となっている。ASIN:4105197029
(1965,米)