2008-01-01から1年間の記事一覧

ゆく年くる年

帰省先で父の発病を知った。ジェームズ・コバーンのように煙草を愛してきた人だから、その肺癌の知らせはまるで予約していた指定席のチケットが忘れずにポストに届くように、我が家へと自然にやってきた。片肺がやられ、気管支が細くなって呼吸することさえ…

晩婚〜汝、それを奇跡と言うなかれ

一昨日のTV番組で若い女性芸能人が「40代の未婚女性が結婚できる可能性は1%で、結婚は奇跡に近い」という趣旨のことを言っていた。1%とはずいぶん厳しい数字だ。気になったので1955年から2005年までの国勢調査を眺めたところ、たしかに右肩上がりの「未婚…

セカンドインパクトがはじまった〜グローバル資本主義の帰結

Chapter 11の適応こそ免れたものの、死にゆく恐竜を「テコ入れは無駄」と議会が冷ややかに見放したことで、もはやビッグスリーの救済は米政府が公的資金*1を投じるしかなくなった。月末にかけて金融機関のドミノ倒しもはじまるし、ファンド関係者やマネーゲ…

岐路に立つ日米関係〜切り捨てか、さもなくば死か

私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このままいつたら「日本」はなくなつて、その代わり、無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国が極東の一角に残るであらう。それでもいいと思つてゐる…

迷走ソフトバンク

ソフトバンク、Yahoo!ケータイトップページの有料化を撤回 当然の撤回。Softbank携帯の「Y!ボタン」は指がうっかり触れてしまいがちな場所に配置されていて、意図せずにトップページにアクセスしてしまうことなど日常茶飯事。これが実行されていたら、年配の…

瀬戸際の師走、セカンドインパクトを恐れる世界経済

帝国データバンクの「大型倒産速報」より抜粋。太字は上場企業。 12/01 フェスタ(エステ・化粧品)負債45億円 破産手続き開始 12/01 丸井産業(不動産)負債48億円 破産手続き開始 11/28 キャセイ食品(冷凍野菜)負債44億3800万円 民事再生法 11/28 モリモト…

周回遅れ〜時代に乗り遅れたミクシイ

mixiが招待制廃止、15歳以上から参加可能に--「mixiアプリ」提供も 「当初招待制だったFacebookも、一段落すると登録制に移行した。mixiも5年間で招待状が普及したのではないか。登録制の併用は自然な流れ」と笠原氏は述べた。 アメリカのFacebookは実名利用…

マスコミ解体〜統合から分断へ

新聞の終わりの始まり 朝日新聞社が初の赤字決算 紙を捨てる新聞 メディアも「水平分離」へ 狭義のメディア産業は縮小する コンテンツ(記事)以外の新聞の機能は衰退するという話だが、問題はその先である。新聞の衰退は時代の流れとはいえ、ニュースと論説…

御法度

海の向こうのアメリカ人が片言の日本語で「マリファナをぶりぶりすると気持ちイイ」とか言ってるので、「文明国のニッポンでそんなことをしたらぶりぶりにされちゃうよ?」とやさしく教えてあげた。なんて親切なんだ私は。ついでに留置所で震えている小室哲…

崖の上のポニョ

★★★★☆ (※ジブリ版『ゲド戦記』のネタばれを含みます。未見の方はご注意ください) 最近、日本は工業国としてよりも「漫画」や「アニメ」の国として海外の人々に認知されているようだ。が、「漫画」の歴史は意外と古い。日本人は昔から「鳥獣戯画」(12〜13…

Round'n'Round

北海道は氷点下、関東は15度前後。沖縄は11月というのに先週まで30度前後の真夏日が続いていた。着実に進行する温暖化で大気循環を担う海流にも影響が出ているのだろうか? 秋を迎えた台湾では冷房を片づけたばかりで、逆に夏が近づく南半球のニュージーラン…

母国語は空気のごとく

宇多田ヒカル「女であること」 知ることは「力」だから、自分の身体をよく知ることは大切だと思う。勘違いで落ち込んだりネガティヴな考え方に陥っても馬鹿みたいだぞ?知ろうとしないで、勘違いで傲慢になるのも馬鹿。 知らぬが仏なこともあることも、確か…

あなたの税金はアメリカの銀行救済に使われる

ブッシュ政権末期に起こるべくして起きた未曾有の金融危機。FRBはドルを維持するために必死で「金キャリートレード」に奔走しているが、それも果たしていつまで持つことか。ドルが暴落すれば、アメリカの覇権はいよいよ失われる。そこで次期大統領のオバマを…

Yes We Can (Cause We Rule The World)

アメリカで初めてカトリック系の大統領*1が誕生した1961年、真珠湾を擁するオアフ島で、ケニア人の父とアメリカ人の母の間にひとりの男の子が生まれた。まさかその子がのちに大統領になると、いったい誰が予想しただろう。半世紀を経て、最悪の状況に苦しむ…

筑紫哲也氏、死去

享年73歳。ご冥福をお祈り申し上げます。 ご意見番、戦線離脱 - オルフェウスの竪琴 恥ずかしい面々 - オルフェウスの竪琴 Over Americanization, No Peace. - オルフェウスの竪琴

体力勝負

聞こえてきた世界大不況の足音――サブプライムローン問題の本番はこれから 次なる時限爆弾は中国か 第4懸念は、サブプライムローン問題を契機とした中国のバブル崩壊だ。現地(内陸のハルビン)の中国人に聞くと、銀行はマンション購入資金であれ、車の購入資…

真犯人を追え

福田元首相の突然の辞任会見があったのは9月1日の夜だった。その半月後の15日にリーマン・ブラザーズが6130億ドル(64兆円、日本法人4社の負債総額は約4兆7,000億円)の巨大負債を抱えて潰れ、世界経済はいまや窒息寸前の金融恐慌に陥っている*1。バブル崩壊…

世代交代

http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/pro/news/20081028k0000m050088000c.html 大リーグの市場拡大という狙いははっきりしている。それに対し(日本は)どう対応するのか明確にしないまま、反省、検証もせずにズルズルと第2回(WBC)を迎えようとしてい…

Déjà vu……倒産にご用心!

下に列記したデータは、帝国データバンクの公開している全国企業倒産集計「負債額1,000万円以上の倒産件数と負債総額」からの抜粋である。米国サブプライムローン問題の影響で日本企業の倒産が相次ぎ、急増した先月の負債総額(5兆3197億円……2000年10月の8兆…

だから言ったのに

本日の日経の号外より。今、海の向こうでは貧乏な人たちに住宅ローンを組ませた詐欺師(ファンド)が破滅に追い込まれている。また海のこちら側でも、デイトレーダーたちが全財産を失って次々と実家に強制送還中だ。どちらも「自業自得」で同情にも値しない…

日米はすでに恐慌に突入している

PERは53倍と11倍、バブル後安値時からは異常な割安 日経平均株価は24日、7649円08銭(前日比811円90銭安)まで下落し、2003年4月28日につけたバブル後安値の7607円88銭まであと42円に迫った。03年4月の投資環境と比べると、今回がいかに異常な水準に置かれて…

"MADE IN JAPAN" on Hollywood

ハリウッドによるマンガ/アニメ/ゲームの実写化ブームに便乗した作品たちをリストアップ。例によって日本人が原作のものは二流の監督や脚本家がアサインされている様子だが、別格の攻殻とビバップには期待したい(月は日本公開)。 アストロボーイ(2009, …

聞こえぬものこそ

人間誰しも、年をとると耳が遠くなる。まず25歳前後で14,000Hz以上の高い周波数がガクンと聞こえなくなり、その後ゆっくりと可聴範囲が狭くなっていくそうだ。子供の頃、黒板を爪でひっかく音(あれはもう少し低くて12,000Hzぐらいだろうか)をひどく耳ざわ…

肉体喪失の危機

AC/CD、iTunes storeでの新作販売をボイコット AC/DCが行うウォルマートでのCD独占販売は、過去にイーグルスとジャーニーが行い成功を収めている。(略)ネットショッピングに対抗する為にDVD付きなどのスペシャルエディションを低価格で販売する方法で、廉…

青年よ大尻を抱け

教育学部くずれの寺山修司らしいパスティーシュ。しかし男子にとって、これはまごうことなき真理である。人類の歴史はノクターンとともに。総員、大尻に突撃せよ! 桜の花の散る前に - オルフェウスの竪琴

六根清浄

最近、お札を燃やすのが流行っているんだとか。燃やすならジョーカーぐらいド派手にやってほしいもんだ。と思ったら、現金100万ポンドを焼いた連中がイギリスに。しかし現実は映画とは異なり、ただただ地味で侘しさすら漂う。こんな紙切れに振り回される人間…

誰が見張りを見張るのか

映画『ダークナイト』を頂点に、怒涛のアメコミ旋風が吹き荒れた2008年。来年は『バットマン ダークナイト・リターンズ』と双璧をなす『ウォッチメン』がいよいよスクリーンに登場する。ヴェトナムにせよ、同時多発テロにせよ、国家や指導者は「偽の英雄」を…

世界恐慌2.0

「…閣下、お久しぶりでございます」 「久しぶりだな、爺。例の党首選以来か?」 「はい。今ではすっかり偉くなられて…先々代*1と同じ椅子でございますな」 「日本製じゃない*2のが気にくわんがな…」 「先々代もキューバの葉巻が大好きでございました」 「や…

人にやさしいプレゼンは恥ずかしい

PowerPointなんて使えるか! そんな人のために作られた高橋メソッド。確かに慣れるまでは、この文字の大きさは「正直ちょっと恥ずかしい」。しかしプレゼンにおいて「分かりやすさ」と「強いインパクト」は欠かせない要素。その点ではまさに身も蓋もない王道…

The Conductors: UK

▼London Symphony Orchestra (LSO) 1904-1911 Hans Richter (1843-1916 洪/独/英) 1911-1912 Sir Edward William Elgar (1857-1934 英) 1912-1914 Arthur Nikisch (1855-1922 洪/独) 兼 BPO, Gewandhausorchester Leipzig 1919-1923 Albert Coates (1882-195…