分かってない企業人・政治家たち

orpheus2006-02-09

小泉流「待ち組」って何?

(二神氏は)「成果主義のように勝ち負けがはっきりする社会になり、若者には“おちこぼれる不安”が強くなっている。セーフティーネットが必要だ。セーフティーネットとは、たとえ負けてもそれなりの人生があるという安心感のことです」と話す。

不登校、ひきこもり、リストカットなどを対象に「カウンセリングルームひだまり」(東京都)を運営する伊藤恵造氏は「本当は、待つっていうことは大切なことなのに。ひきこもりの人は徹底的にひきこもって『どう生きたらいいのか』と考えているんです」と、「待ち組はだらしない」と言わんばかりの政治家たちの言動に疑義を呈する。「英国ではニート一人一人の調査を行ったが、日本はそんな調査もせず、政治家が『ニートは60万人いる』とか、不確実な数字を挙げたりしている。彼らを働かそうとするばかりで、まるで富国強兵政策ではないですか」。

最近は政府のお題目に「産めよ増やせよ」という項目も追加された。某大臣がどう言葉を繕ってみたところで、女性たちが自由のままでいたいと望むかぎり、子供は増えようもない。無理解な男のせいにしてみたところで、男が子供を産めるわけでもない。自分をセーブするニートたちと同じで、どこかで現実と折り合いをつけなくてはいけない時がくる。

元銀行員の伊藤氏は、息子が不登校となった経験を持つ。そのとき、完璧主義の自分も「もっと楽な生き方をしてもいいんだ」と気づかされたという。「つらい親の姿を見て、大人になりたくないと思う子が増えている。社会って、いかに楽しいかを見せられる世の中でなければいけない。それを『待ち組』なんて言い方をするとは…」 

「待ち組」発言について、「『ニート』って言うな!」の共著者で、東京大学の本田教授(教育社会学)は「労働市場環境が厳しい時代に待機するのは当然のこと。待ち組が戦っていない、という猪口大臣の認識は現状にそぐわない」と批判する。 

英国では(ニートは)16から18歳、しかも失業者を含む定義であるのに、日本では15から34歳と広く、失業者を除外しているまやかしを説明する。そのうえで、日本でニートの一般的な解釈である「働きたいという気持ちを表明していない人たち」はこの10年増えておらず、若年失業者とフリーターこそ増えていると(本田氏は)分析している。

本田氏は今回の「待ち組」のほかにも、苦境にありながら小さなチャンスでも追求しようとする「賭け組」が若者の中にかなり存在するとし、「実際は彼らに力を発揮する機会が与えられていない。例えば、企業は新卒者採用主義。途中で学校を辞めた人やフリーターへの差別は厳然とある。若者対策ではなく、雇う側への働きかけこそが必要だ。手始めに既卒者差別の撤廃に政策的に取り組むべきだ」と主張する。 

ホリエモンだけではない。首相や猪口大臣、果ては企業の人事まで、皆が効率――あるいは金儲けという病におかされている。
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