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orpheus2009-03-31

日清紡、燃料電池を低コストで 価格6分の1の触媒

日清紡は家庭の電源や自動車に使われる燃料電池の触媒として、高価な白金に代わる炭素材料を初めて実用化し、2010年春から量産する。性能は白金とほぼ同じでコストは約6分の1になる。燃料電池車に使った場合、車全体の約1割に相当する50万円程度のコスト削減につながる見込み。燃料電池の普及に弾みが付きそうだ。
 
炭素材料は「カーボンアロイ触媒」と呼ばれる。日清紡は中央研究所(千葉市)で来春から生産を始め、自動車や家庭用燃料電池メーカーに出荷する。生産量は15年に年産数トン、20年には数十トンに引き上げ、500億―1000億円の売り上げを見込む。

電気自動車の普及を妨げていた燃料電池の製造コストを一気に引き下げる新技術が国内から登場。この分野は日本が21世紀を生き延びるための突破口でもある。国を挙げて重点的に支援・育成すべきだろう。概して、日本の企業やビジネスマンは“商談時の根回し”や“マーケットの空気の変化待ち”をしていて大きなビジネスチャンスを取り逃がすことが非常に多い。米国のベンチャー企業シリコンバレーで次世代カーの開発・試作をしていたかと思えば、いつの間にかちゃっかり電気自動車を製品化してビジネスを始めている*1のに対し、日本の大手自動車メーカーは「インフラ整備に時間がかかる電気自動車より、ハイブリッド車でしばらく繋げばよい」とずいぶん暢気に構えている。しかし、それではもはやこのデフレ時代を生き残ることは難しい。トヨタやホンダが高コストのハイブリッド車を国内で細々と売っている間に、海外では(年内のうちにも)低価格の電気自動車が出回り、内需保護を背景に地元メーカーが新しい市場を独占してしまう可能性も大いにある。
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*1:例えば、英国産のスポーティーな車体にノートPC用のバッテリー数百個分を取り付けて、ハイウェイも走れる高速の電気自動車として実際にバンバン売っている。