子供に大人の玩具を与える事なかれ

orpheus2009-04-02

「迎撃なら日本の重要対象攻撃」北朝鮮の総参謀部が警告

北朝鮮朝鮮人民軍総参謀部は2日、「人工衛星打ち上げ」名目の長距離弾道ミサイル発射準備に関連して「重大報道」を発表し、「日本が迎撃を敢行するなら、すでに展開済みの迎撃手段だけでなく、重要対象に対しても、我が人民軍は容赦なく断固たる報復攻撃を加える」と警告した。(中略)

ミサイル発射準備に「最も悪辣(あくらつ)に行動しているのが、我が人民の百年来の宿敵である日本だ」と(北朝鮮側は)日本を最も強い調子で威嚇した。

そういえば、来年で韓国併合から100年になる。もう冷戦も遠い過去のものになった*1ことだし、自虐史観にどっぷり浸かったレフトサイドの“戦後派”や、愛国ぶっても実際は強者の威を借るだけのスネ夫と変わらぬライトサイドの“親米派”の方々には、「思考停止」という意味ではどちらも時代遅れなので、世代を問わず、そろそろお引き取り願いたい。特に現在の子供たちへの教育という観点からもそう思う。侵略戦争批判や従軍慰安婦問題に配慮して「軍部の暴走に歯止めがきかなかった」と子供に教えるのは、教師が大人の「言い訳」を教えるようなもので、百害あって一理なしだ。玉石混淆の情報が氾濫する中で、リテラシーも十分に育っていない子供たちを導く側の人間がそんな及び腰では困る。この経済危機と混乱をもたらしたグローバル資本主義を野放しにしてはならないが、人的な国際交流は(外国と同化するためではなく、多様性を学ぶために)大いに推進すべきで、隣国との間に横たわる障害や誤解は取り除く必要がある。人から偏見を取り除くのが努めでもある教育がその最初の「理解の鍵」を握っている。
さて、韓国併合については、他国の戦争に組み込まれ、日本兵による犠牲者も出た以上、朝鮮半島側が感情的にならざるを得ないのは当然のことだが、そうした犠牲者や被侵略民としての負の感情や復讐心はいったん脇に置き、当時の当事者たちが何故そう行動したのか、もしその行動が(現代から見て)誤ったものであったなら、何が原因でそうなったのかを複眼的に探ることが「歴史から学ぶ」ということだろう。思うに、日本が99年前に「選択」した周辺諸国に対する併合政策は「帝国主義時代の一大国家プロジェクト、すなわち(海外まで拡張した)大規模な公共事業あるいは景気対策」でもあった。もっとも、日本が米国の傘下に組み込まれた「負け戦」という結果を見れば、日本のこの「大陸進出プロジェクト」自体の是非(もちろん、是よりも圧倒的に非の方が多かろうが)は明白である。それよりも、彼の地での“日本化”教育の影響や、日本の敗戦に伴う同プロジェクト放棄後の顛末、すなわち日本の資本による強制的な開発が頓挫したところに朝鮮半島で冷戦の代理戦争が行われることになり、「恨み節の韓国*2」と「共産主義のもとで先細り、野良犬化した北朝鮮」という国家の分断状況が生まれ、その緊張関係は冷戦終了後の21世紀まで温存されるに至ったこと、ゆえにこれから起こりうる外交的・経済的リスクの問題を含めて、子供たちに(そして平和ボケの大人たちにも)自ら考えさせるような歴史教育が求められている。
昨日のエントリはもちろん単なるエイプリル・フールのネタなのだが、そろそろ本当にテポドンが飛んできそうだ。「言い訳」にせよ、「軍事技術」にせよ、子供に大人のおもちゃを与えるとロクなことにならぬ、ということか……。
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*1:この件については後日書くつもりだが、実は今、冷戦体制の復活が懸念されている。今回の金融恐慌で東ヨーロッパの貧しい国々は最後の打撃を受け、拡大EUから離脱せざるを得ないような状況にある。

*2:WBC勝戦後のイチロー批判などにも見られたが、戦後の反日教育が韓国人に与えた影響はあまりに大きく、両国間の溝はあまりに深い。