脱・民族の祭典、のススメ

ダイエーの逆転日本一から一週間も経たずに興味深い対戦があった。“長嶋・全日本代表”vs 王・プロ選抜”とくれば、誰でも派手な試合を期待するところだが、結果は惨憺たるものだった。試合の結果が問題なのではない。代表チームにアマチュアの選手が含まれていない事が不満なのだ。絶対に金メダルを獲る!という名目で編成されたようだが、これだけの布陣で挑んでメダルを逃したら、次は一体どうするつもりなのだろう。

球界を盛り上げようという長嶋監督の熱意は理解できるが、商業主義の強まるオリンピックに、わざわざ商業スポーツの権化たる「ミスター」が加わって拍車をかける必要はないように思える。東京オリンピックの頃とは、もう違うのだ。

来年、オリンピックは108年ぶりにその生誕の地に戻る。世界最大の祭典を、選手達は純粋に楽しんできてほしい。