アテネ五輪(1)

orpheus2004-08-17

気になる試合が日本時間の真夜中に行われる今回のオリンピック。HDレコーダーが飛ぶように売れるのも頷ける。そのオリンピックはまもなく5日目だが、日本勢は早くも明暗が分かれはじめた模様。

お家芸の柔道は、ベテランの谷亮子野村忠宏バツグンの安定感で、納得の金。52〓以下級で惜しくも銀になった横沢由貴が準決勝でみせたラスト1秒の逆転劇は、最後の最後まで勝負の結果は分からないということを教えてくれた。そして競泳の北島康介。ハンセンを撃破した100〓ブレストの泳ぎは堂々たるものだった。

一方、持ち味を活かせずにいるのが男子サッカーや女子バレー。特に女子バレーは不甲斐ない内容の試合が続いている。勝てなくてもいい。王者アメリカに善戦したソフトボールチームのような“気迫”を最後まで見せて欲しい。

かつての日本は、男子体操や女子バレーなどの団体競技が強かった。ところが、経済が豊かになるにつれて、日本社会は組織よりも個人の能力を重視するようになる。スポーツの世界も例外ではなく、個人であることに重きが置かれ、団体の競技もチームとしての団結力を低下させていくことになった。その結果、アメリカのように、突出した能力を持つ選手に依存する傾向が強くなった。日本の団体競技が、個人の競技に比べてあまり良い結果が残せなくなったのは、こういった事情も少なからず影響しているのだろう。

そんな中で男子の体操チームが団体戦で28年ぶりの金メダルを獲得した。明るい表情で声をかけ合う選手の姿を見ていて、この金メダルは個々の能力もさることながら、チームとしての団結力が他国チームよりも上回っていた結果、獲得できたものだとつくづく思った。個の能力を最大限に活かし、チームとして“一枚岩”になることができる理想の形。体操の男子団体チームに、新しい“希望の光”を見せられた気がする。