アレキサンダー

orpheus2005-02-16

★★★☆☆
コリン・ファレルを主役に抜擢した時点で、ネガティヴなアレクサンドロスを描こうという演出側の意図が見え見え。もちろん本作のアレキサンダーがブッシュを模したものであることは言うまでもない。内容もラジー賞で6部門ノミネートされるだけあって相当な“駄作ぶり"。それでも本作にはあえて3点をつけたい。薬漬けの史劇に救いなどありはしないが、ダレイオスの哀れな最期にはフセインを、虚栄に満ちたバビロンの都にはアメリカを、辺境の地インドに降り続く悪夢のような豪雨にベトナムをみた。これほどまで妖しく妄信的な世界を描けるのはオリバー・ストーンだけだろう。
(2004,アメリカ/イギリス/ドイツ/オランダ)