環境を整える

orpheus2006-03-15

青森で始まったカーリングバナナの値段は一房およそ200円。その売り上げの1%(2円)がカーラー育成助成金として県のカーリング協会に寄付される。今年の暮れにはカーリングりんご(カーリンゴ?)もラインアップに加わる予定になっており、売り上げが伸びれば地元農家にもメリットがある(寄付金も今より集まるかもしれない)。ただ、りんごといえばライバルの長野県も得意な分野なので、ここでも“宿敵の戦い*1”が待っている。もっとも、長野では県の中心から離れた地域でカーリングが盛んなため、県を上げてカーリングを盛り上げるという状況にはまだ至っていない。また、98年の冬季五輪以来、スキーやスケート競技に力を入れているという実情もある。ただ、商売に目のない田中康夫知事のことだから、このカーリング・ブームにはきっと注目しているに違いない。
さて、カーリングの人気が高まるのは大いに結構な話だが、ただでさえ専用リンクが少ない上に初心者教室が増えるとなると、選手たちの練習にも影響が出る。来年、地元で開催される世界選手権のために青森銀行が100万円ほど寄付をしたようだが、本質的な問題を放置したままでは、いくら金を出しても意味がない。ここは本格的に地元の商工会と連携してカーリング・ファンドを作り、青森市内に初心者向けの別リンク*2を建設したり、選手の強化費用を補助するなどの思い切った策を打ち出していかないと、選手たちを取り巻く環境*3は改善されないだろう*4。なお、カーリングの盛んなカナダではリンクは1,000箇所以上もある。トリノ五輪の解説で人気を博した小林氏が山中湖で開いているカーリングクラブ(現在の会員は80名ほど。カナダでカーリング指導の資格をとった小林氏の娘さんたちが指導をしている。週末に都内から通っている熱心なメンバーもいる)のように、カーリングを楽しめる環境が日本にもどんどん増えてほしいものだ。また、環境的にカーリングができない南の地域や夏場でも楽しみたいという向きにはユニカールというカーリングを模したものもあるので、学校の体育館や市町村のスポーツセンターに導入してみるのもよいだろう。
元長野五輪競技委員長・小林さん、自費でカーリング場
山中湖メイプルカーリングクラブ
カーリングホールつくります(北海道帯広市の企業。1億円ちょいで作れるらしい。普通は2億以上)
広報あおもり

*1:ついカーリング精神に反してしまった。“敵”ではなくて“相手”が正しい表現。

*2:今の施設は立派なので選手専用にすればよいだろう。

*3:自分たちの遠征費を稼ぐため、小野寺や林は遺跡の復元やホタテの貝柱を取り出すバイトまでやっていたらしい(それはそれで興味深いが)。

*4:青森に戻った五輪選手たちに北海道のローカルTVのキャスターが「なぜチーム青森として出場したのか」という愚問をしていたが、北海道の常呂町北見市に吸収合併されるような逼迫した経済状況で、どうして北海道で五輪を目指して続けていけただろうか。小野寺と林がカーリングに力を入れていた青森市を頼っていかざるを得なかった“苦渋の決断”を理解すらしていない馬鹿キャスターにはただただ呆れる。