恥ずかしい面々

ライブドア、事実上消滅へ=USENが完全子会社化−株式交換活用

USENは新株を発行し、ライブドア株と交換する「株式交換」により同社を完全子会社化。その上で事業部門を切り離し、ライブドア本体は最終的に清算する計画だ。証券市場に混乱を残した同社はこれにより事実上消滅する。両社は、早ければ5月の取締役会でUSENによるライブドアの完全子会社化をそれぞれ決定する見通しだ。

完全子会社化を再建支援策とは言わない。吸収合併である。しかも、あれほど膨大なライブドア株と同数の新株を発行し、大量のUSEN株として市場に垂れ流すということは、100分割などの“ライブドア錬金術”で生まれた歪んだ状況を、企業の顔だけ付け替えてそのまま引き継ぐことを意味している。堀江と“同じ穴の狢”の宇野がどういう手管を見せるか注目してきたが、ここまで露骨な踏襲案を打ち出されては、開いた口もふさがらない。渦中のライブドアライブドアマーケティングの株は今日が最終取引日*1上場廃止となる明日以降の売買はきわめて困難になる。結局のところ、この馬鹿げた騒ぎの後に残されたのは、大量の損失を抱えた個人投資家の累々たる屍ばかりであった*2。投資のイロハも知らない顧客の老後の蓄えをライブドア株につぎ込ませ、大量の損失が出た途端に雲隠れする証券会社、異常な株式分割を長いこと放置していた東証時間外取引にお墨付きを与えた金融庁マネーゲームホリエモンをもてはやした小泉政権とマスコミなど、彼らの責任は問われないまま、事件は葬りさられようとしている。他者には自己の責任を問いながら、平然と責任逃れをする人々。ここまで日本は堕したか、と思わざるを得ない。

*1:最終的な株価はLDが94円、LDMが310円だった。

*2:投資という観点からすると、ライブドア事件で大損をして懲りた人間よりも、破産した彼らを冷やかに笑っている仕手筋や個人投資家の方が実ははるかにタチが悪い。株価を乱高下させているのは、企業の成長や社会性などに注意を払わず、分単位・日単位という短期の株価しか見ずに信用取引を乱用する、こうした拝金主義者たちなのだ。東証東証である。中途半端な制限などやめて、いっそ信用取引など無くしてしまえば良い。ネット取引などのインフラが整い、小口の取引も可能になった現在なら、現物買いだけでも株式市場は成長が可能だし、ライブドアショックの時のようなシステムダウンの危機も回避できると思われる。