反撃の狼煙、あるいは広島・長崎

orpheus2007-08-08

いいぞ、小沢一郎! 傲慢なアメリカとその追従者にもっとガツンと言ったれ!
圧倒的な力の差があるからこそ、弱きものは筋を通すべきである。外交の場においては尚更だ。日米安保による冷戦の緩衝地帯化、プラザ合意によるバブル経済誘導、米国主導型グローバリゼーションによる日本社会の格差拡大、イラク占領政策への自衛隊の協力(小泉純一郎憲法第9条を踏みにじった政治家として歴史にその名を刻んだ)。自民党政権とその共犯者(官僚・経団連・広告代理店とマスコミ、およびその支持者)のもとで、この国は転落の一途を辿ってきた。日本の高度経済成長は、貧困にあえぐ人類にとっての成功例ではなく、むしろ今日の暴走するグローバリゼーションへの扉を開いた悪夢なのである。
ヒラリーにせよ、オバマにせよ、リベラルな政権が誕生すれば、米国の政策は先のクリントン政権時のような内政重視に転じる。対日政策はブッシュ政権の時より厳しくなる。もちろん、米国の政権交代後は米軍もイラクから撤退せざるを得ない。それを見越した上での「日米同盟は対等でなければならず、米国の戦争に我々が付き合うことはない」という小沢発言なのである*1
原爆投下から62年。日米関係は大きな転機を迎えている。敗戦国の人間だからと泣き寝入りする者は、強者とその追従者に利用されるばかりである。平和ボケの人間は「原水爆禁止の市民運動をしても核廃絶なんてどうせ無理だ」と他人面をするが、自分の家族の頭上で核兵器が炸裂しても同じことを言ってられるだろうか? 殴った以上、殴り返されるのは仕方がないことだ。しかし、核兵器は、世界大戦という人類の犯した最も愚かな行為の象徴として永遠に非難されるべきものである。唯一の被爆国たる日本の市民がこの悲惨さを訴えずして、誰が訴えるというのか? 被爆者ではないから分からないと言い訳する前に、なぜ原爆資料館に足を運ばないのか? 広島や長崎に限らず、南京や重慶、ハワイ、ガダルカナルサイパン、フィリピン、硫黄島、東京、沖縄等で起きたことを子供たちに説明できない大人に、戦争責任者の非を問う資格があるだろうか?*2
原爆を投下したパイロットが英雄になる国はアメリカだけで十分だ。米国主導のグローバリゼーションは、日本人の奥ゆかしさや経済的な富ばかりか、(ただでさえ少ない)想像力と(ただでさえ屈折した)愛国心も奪っていく。その延長線上に、未来はない。
広島平和記念資料館
長崎原爆資料館
宇多田ヒカル「アメリカは、日本の慰安婦問題に首つっこめる立場かよ(*´ー`)」

*1:小沢民主党が与党になっても対米政策の基本的な枠組みは変わらないが、フラットな関係を目指すリベラル政権同士が対話を重ねることで、日米同盟はより成熟した関係に移行できる(おそらく初めての)機会を得るだろう。

*2:軍部の暴走はなぜ起きたか? 大陸に進出していた日本が南進した理由は何か? マスコミや知識人は何をしていたか? 治安維持法とは何か? 明治憲法の欠点はどこにあったか? 敗色濃厚になってもなぜ日本は戦争を継続したのか? 当時の世界情勢はどうだったか? 台湾、中国、朝鮮における対日感情の差異は? そもそも日本の近代化のアプローチは正しかったか? 暗澹たる思いにさせられる問いばかりだが、夏休みの課題として、子供や学生と一緒に考えてみるのも良い勉強になると思う。