あまりにも国威掲揚的な

まるでベルリンオリンピックが現代に甦ったかのようだ。チャン・イーモウが鮮やかな色彩をもって“和”と民族の多様性を謳い上げれば上げるほど、中国の墨一色で塗り潰したに等しいチベットに対する所業とのギャップが際立ってゆく。贅を尽くした電飾のデモンストレーションと一糸乱れぬ五輪開会式の統制ぶりに、思わず眩暈を覚える夏の夜であった。