宇多田ヒカル、iTunesで米国「先行」デビュー。Vocalチャートで4位に

htp://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0407/28/news023.html

 10月にアルバム「Exodus」で全米デビューを予定している宇多田ヒカルUtada)の新曲が、iTunes Music Store経由で一足早く、米国リスナーの手に届けられた。iTunes Music Storeを使った米国進出は、既に布袋寅泰が実践し、iTunesチャート17位の成功を収めている。
 Utadaの所属レーベルであるIsland RecordsiTunesを使った楽曲販売に積極的で、同レーベル所属の他のアーティストの多くがiTunesに参加している。このため、UtadaiTunesデビューはある程度予想されていたとも言える。

好きな音楽はiTMS(iTunes Music Store)からダウンロードして買いなさいとAppleはいう。何事もオンラインで済ませたいような人にとっては、ストリーミングで視聴し、曲単位でオンライン購入ができるiTMSの便利さは歓迎すべきものかもしれない。逆に、ライナー、ジャケット等を含めてアーティストの一つの作品と捉える立場(アナログ盤のファンも含む)にとっては、iTMSは「音楽を裸でたたき売る行為」以外の何ものでもないようにみえる。

iTMSのサービスは便利だが、HDDのクラッシュで購入した曲や膨大なライブラリーが一瞬で消えてしまう可能性があったり、個人間のファイルの交換を止められない(全く同じデジタルデータに対価を払った者が馬鹿をみる状況が存在している)ことなど、指摘されている問題点も少なくない。一応、購入した曲は後でまたダウンロードできることになってはいるが、Appleのこのサービスがいつまで続くか分かったものではないし、アメリカでは著作権違反幇助法案が議論されており、これが可決されるようなことがあれば、著作権対策の甘いiPodそのものが「違法」となってしまう危険性すらあるのだ。

著作権に関していえば、CD-Rにまで法規制を考えているJASRACはともかく、ただ「少しでも多くの人に、しかも安全に売りたい」と願っているアーティスト側にとっては、iTMSや従来のCDよりも、著作権保護に優れた次世代のメディアが一刻も早く普及して欲しいところであろう。