而立

ゆっくりと3200mほど泳ぐ。適度な疲労感が気持ちいい。そういえば、昨日の新聞(読売新聞ZIPZAP)で女優の稲森いずみが取材に答えてこんなことを言っていた。

現実でも三十二歳を迎えた。次々と仕事が舞い込み、撮影現場から救急車で運ばれるまでがむしゃらに働いた二十代と比べ、どこか肩の力が抜けた。ありのままの自分を受け入れられるようになった気がする。
「人生に勝ちも負けもない。自分が一生懸命考えて選んだ道を歩んでいれば、それでいい。もっとみんな元気を出して、自分を愛してほしい」
言葉を選ぶように話す姿が、三十代の落ち着きを感じさせる。最近の目標は「心にきれいな色をたくさん持つ」ことだという。

三十を過ぎて、やっと落ち着いて生きることができるようになった。慰霊祭(正式名称は「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」。通称、平和記念式典)が行われている広島に思いを馳せつつ、そんなことを考える。