アテネ五輪(3)
17日間に渡って繰り広げられた熱戦もいよいよ閉幕。毎度のことだが、オリンピックが終わると、ものすごい虚脱感に襲われる。世界を夢中にさせるオリンピックの独特の高揚感は、何ものにも代え難いのだ。
さて、男子マラソンのハプニングやハンマー投げのアヌシュ選手のドーピング失格など、最後まで話題に事欠かなかった今回のアテネ五輪。日本が獲得した金メダルは全部で16個。最多の競技は近年“最後の砦”となっていた柔道*1で、男女の全14階級で8個。以下、競泳3、レスリング2、体操1、マラソン1、陸上1という結果だった(なお、銀は9個、銅は12個)。
なにかと比較されていた1964年の東京大会も、金メダルがやはり16個(体操5、レスリング5、柔道3、バレーボール1、ボクシング1、ウエイトリフティング1)で、銀が5個、銅8個。ところが、その金メダルの男女比をみると面白いことが分かる。東京大会では男子が15個、女子が1個なのに対し、アテネ大会では男子が7個、女子が9個と、女子が男子を上回っているのだ*2。
マスコミが書き立てたように金メダルの数だけ単純比較すれば、東京大会と“同数”の偉業を達成した今回のオリンピックだが、その内容は40年前とは大きく異なっている。“日本男児”が全体として元気がなかったのに比べて、“やまとなでしこ”パワーが炸裂したことが、アテネで日本が躍進*3した最大の理由であることは間違いないだろう。