アテネ五輪(3)

orpheus2004-08-31

17日間に渡って繰り広げられた熱戦もいよいよ閉幕。毎度のことだが、オリンピックが終わると、ものすごい虚脱感に襲われる。世界を夢中にさせるオリンピックの独特の高揚感は、何ものにも代え難いのだ。

さて、男子マラソンのハプニングやハンマー投げアヌシュ選手のドーピング失格など、最後まで話題に事欠かなかった今回のアテネ五輪。日本が獲得した金メダルは全部で16個。最多の競技は近年“最後の砦”となっていた柔道*1で、男女の全14階級で8個。以下、競泳3、レスリング2、体操1、マラソン1、陸上1という結果だった(なお、銀は9個、銅は12個)。

なにかと比較されていた1964年の東京大会も、金メダルがやはり16個(体操5、レスリング5、柔道3、バレーボール1、ボクシング1、ウエイトリフティング1)で、銀が5個、銅8個。ところが、その金メダルの男女比をみると面白いことが分かる。東京大会では男子が15個、女子が1個なのに対し、アテネ大会では男子が7個、女子が9個と、女子が男子を上回っているのだ*2

マスコミが書き立てたように金メダルの数だけ単純比較すれば、東京大会と“同数”の偉業を達成した今回のオリンピックだが、その内容は40年前とは大きく異なっている。“日本男児”が全体として元気がなかったのに比べて、“やまとなでしこ”パワーが炸裂したことが、アテネで日本が躍進*3した最大の理由であることは間違いないだろう。

*1:1996年のアトランタ大会で日本が獲得した金メダルはわずか3個。いずれも柔道によるもので、メダリストは恵本裕子、中村兼三、野村忠宏

*2:柔道がオリンピック競技に加わったのは東京大会から。当時は全部で4階級で、女子柔道はまだ行われていなかった。

*3:前回のシドニー大会では日本は金メダル5つに終わっている。メダリストは柔道の田村亮子野村忠宏滝本誠井上康生とマラソン高橋尚子