適材適所に程遠し。

あれだけ多くのパスをもらっておきながら、柳沢は何本のシュートを放っただろうか? 相手DFを突破してゴールを狙わないFWなど要らない。そうでなくても守備が強いクロアチアから多くの得点を奪うためには、日本はとにかくシュート数を増やすしかなかった訳だが、まともなシュートが出ていたのは4−4−2が機能していた前半のみで、集中力とスタミナが尽きた後半は激減。一番楽な初戦に大敗した時点で日本のW杯は実質的に終わっていたとはいえ、1勝もあげられずに王者ブラジルとの最終戦を迎える“絶望的な展開”を招いた原因は、日本の持ち味である組織プレーを軽視してきたジーコの采配(もちろんジーコを監督に抜擢した側にも責任がある)と、毎度お馴染みのFW勢の得点力不足であった。それにしても、日本最大の好機となった後半6分、シュートを打たず、弱気のパスに逃げた柳沢。ゴールをガラ空きにして点を奪われた初戦の川口と同様、勝たなくてはいけない試合で日本は情けないプレーが続いている。