海外の目線から浮かび上がる、この国のカタチ

orpheus2007-03-13

Read My Mind (YouTube)
イギリスのバンドThe KillersのPVより。もちろん半分は冗談だが、半分ぐらいは真実(海外のまなざしに映った日本のイメージ)を捉えているようにも思える。さて、この映像の中にRespectされるようなものがどのぐらいあっただろうか。一歩身を引いて日本という国を見てみると、この国は相変わらず自動車と家電*1などのハードウェアの生産*2と加工物の輸出で食い繋いでいるものの、中国などの台頭で確実に“世界の工場”としての存在感は低下しつつある。自然を配慮した政策も文化も乏しく、農業・林業水産業は衰退し、世界中から資源を買い漁っては使い捨てにしている。人間の方はといえば、ホリエモンにかぶれた素人投機家たち(企業の価値は俺の金)やオレオレ詐欺(年寄りの金は俺の金)の増加、モラルなき連中(官僚の不正、企業の製品管理・情報管理能力の低下、電車の中で化粧に携帯にあぐら座り)で溢れかえり、腐った現実を嗅ぎ取った若者たちはフラストレーションから大人の真似(イジメや殺人)に走ったり、自己防衛(引きこもりや自殺)を余儀なくされている。小泉元首相や石原都知事の喧伝した“豊かな日本”もフタを開けてみれば、中身はこの程度なのだ。その小泉といえば、話題のドラマ「ハケンの品格」に登場する彼の息子を見れば、現代の子供がろくな教育を親や社会から受けていないことがよく分かる。全く頼りにならないのだ(演技力がないので、素の状態がそのままブラウン管に出てしまっている)。彼は1978年生まれだという。この世代の後にさらに温室育ちの「ゆとり世代」(80年代後半生まれ)が加わるというのだから、日本の未来はとてつもなく明るい。この国が飢えた海外の虎どもに喰われる日もそう遠くはなさそうだ(バブル崩壊以降の外国系企業参入、昨今のTOBラッシュなど、もう10年以上喰われているという見方もできる)。

*1:PS3Wiiも家電。なお、PS3に家電以上の機能を与えようとしたソニーの戦略はきわめて危険な冒険だった。系列の映画会社の収益でハードウェアの赤字をカバーできれば、2010年ぐらいまでにPS3は再びソニーのドル箱の地位に返り咲くという予測もある。セル生産縮小の話も含めて、ここで堪えられるかどうかがソニーの命運を決めるだろう。

*2:安い価格帯の家電はすでに競争力を失い、やむを得ず海外で生産した製品は品質低下の問題をもたらしている。軍需産業や医薬産業など桁違いの開発費を使うハイエンド工業製品の分野では日本は茅の外。ソフト面でもOSやホストアプリケーションなど基幹となるものは海外製品の傘下にある。