脳に釣り糸を垂らす

本日のNHK特番に出てきた言葉。もちろん釣り糸を垂らす先には魚がいないといけない。質がよいとはとても言えない取材内容だったが、宮崎監督がシンプルな絵へと転じていく過程や息子の映画*1に憤った場面等は普通に描かれていた。ただし不肖の息子からの言い分はなく、鈴木プロデューサーの奥歯に物のはさまったような言葉が少々あっただけ。崖の上の風に吹かれて、宮崎駿は独り佇む。人は皆エゴで身動きが取れなくなっているが、この世界は相変わらず美しい。

*1:この件については、ジブリ映画「ゲド戦記」に対する原作者のコメントの中にある次の言葉が全てを象徴している。「わたしたちの心の闇は、魔法の剣の一振りで追い払えるようなものではないのです」。