ロッキー・ザ・ファイナル

orpheus2007-05-05

★★★★★
誰もが《自分自身のエゴ》に潰されそうになりながら、それぞれの一生を戦っていかねばならない。何をやってもうまくいかない。これ以上、ムキになって戦うことに意味なんてあるのか? 構わないでくれ、どうせこれが俺の人生なんだよ……。

だが、諦めないこと、そして《自分自身のエゴ》と正面から向き合い、挑戦し続けることが必要だと、本シリーズを通してロッキー・バルボアは語り続けてきた。人々の結びつきが弱まり、人々のエゴがますます剥き出しになっている今の時代だからこそ、彼の重いパンチ(=信念)は僕ら観客の心を大きく揺さぶるのだろう。

映画のラスト、美術館の前で仁王立ちするロッキー。彼は戦い続ける。僕らは彼の言葉を信じ、後に続けばいい。戦いのゴングは、すでに鳴っているのだから。

悩める息子たちよ、父の言葉を聞け。
(2006, アメリカ)