太平洋は俺のモノ〜猿でも分かるメディア・リテラシー講座

orpheus2007-08-20

中国、太平洋の東西分割提案か 米軍は拒否(産経新聞)

米太平洋空軍のへスター司令官は「空間を誰にも譲らないのが、われわれの方針だ」と記者団に述べ、西太平洋地域を米軍の影響下に置く必要性を強調した。

右寄りの産経が「米国の産経新聞」と言われるワシントン・タイムズ共和党支持、韓国系)の記事を取りあげている、という時点で意図は明白。だが、今世紀は間違いなく超大国アメリカと遅れてきた虎(中国)の衝突が避けられない世紀であり、短期的には台湾、中期的には日本が両国の覇権争いの中で翻弄されざるを得ない。先回の「トランスフォーマー」のエントリとも多少関連するが、現在進行中のイラク戦争の泥沼化はもとより米国の産軍複合体の望むところであったが、イラク駐留にともなう米兵の死傷者の増加は米国内の厭戦ムードを招いてしまった。そこで、イラクに代わる新たな脅威として政府と軍、またワシントン・タイムズのような共和党系メディアは中国をターゲットにバッシングを始めている。米空母の中東から太平洋への配置転換、国内外のマスコミと圧力団体による中国製品(食品や生活用品など)の安全性や公害問題への異議申し立てがその分かりやすい事例である。もちろん、中国の品質管理意識の低さや環境対策の遅れは事実だが、米国やその同盟国(日本を含む)のメディアから日々発せられる“中国叩き”の姿勢もまた少なからぬバイアスがかかっていることは意識しておく必要がある。また、いま中国を叩いている米国の連中の多くが'80年代には日本を叩いていた、ということも覚えておくとよいだろう。
補足:人はバイアスなしに言葉を発することはできない。もちろん、このエントリ自体にもバイアスがかかっている(というより、意識してやっている)。だが、旨いと思えば旨いと言い、美しくないと思えば美しくないと言う。それが本ブログの唯一のルール。そうでないとしたら、個人ブログに何の意味があろう?